現在の”料理人 椎名ニキ”となるきっかけ

今回も、考察というよりこんな見方もあるんじゃないか、という一つの可能性のお話です。燐ニキ信者によるかもしれない運転でお送りするので、ご注意お願いします。

幼少期の料理人ニキくんは…

 ニキは、現在アイドルと料理人という二足の草鞋で活躍しているが、ESができたてホヤホヤの時代であったアイドルストーリー1話目では、大好きな料理人の仕事一本でいきたいのでアイドルを辞めさせてほしいという衝撃の登場で巷のあんスタPを騒がせた。
 それくらいニキの人生の中で大きなウェイトを占める料理人としての経歴は、ずっと過去から始まっている。

メインストーリー 第一部 第五章「第百六十八話/Happy end」より

 このように、燐音と出会い、燐音がアイドルを始めるよりも前から料理人として働いていたことがわかる。しかし、ニキの当時の状況を見ると、料理人となって、心も体も豊かに…なんて上手くいってはなさそうだ。

ホットリミット「モノローグ①」より
ホットリミット「エピローグ⑤」より

 このように、当時のニキはあまり生活に余裕がなかったのでは、と推測される描写が。

ホットリミット「モノローグ①」より

 ニキのご両親はこんな時でも海外を渡り歩いているが、帰国しにくい理由があるらしいのと、それでも定期的に帰国していて不在中の仕送りもあったと思われることから、決して育児放棄というわけではないだろう。しかし、

そりゃ生まれた時から栄養が常に摂取できない体なんだから、そんなに昔から大きかった筈が無いんです…。
お様「お願いだから滾るままに書かせて(あんスタ!!ホットリミット感想)」より https://note.com/ooo888/n/ne8bcf316cf93#bsoWT

 この方の考察の通り、それでもご飯の量は足りていなかったのかもしれない。
 また、先述の場面のように自分の存在を卑下したり、そんな現状で満足している心の状態(実は現在もあまり変わっていなかったりする)で、今の時点、つまり4・5年後にはメディア露出一歩手前というリスクを冒してまで料理人として活躍し、時間があれば珍しい食料探しへ出掛けるような対外的な料理人人生を想像していただろうか。否、たぶん想像していなかっただろう。
 では、そんな当時の状況から、現在の“料理人 椎名ニキ”となるきっかけはなんだったのか。

現在の“料理人 椎名ニキ”となるきっかけ

ホットリミット「狂い咲く挽歌/第一話」より

 ニキは、自分のことを流されやすい人間だと説明する発言が目立つ。料理人として現在のように活躍する影には、彼がその道を流れていくための働きかけがあったに違いない。 そこで浮かんでくるのは、4・5年前から同居していた燐音の存在だ。

ホットリミット「モノローグ③」より

 燐音と出会う前も、ニキは誰かに料理を振る舞う機会なんてのはいくらでもあったと思う。前述のとおり、燐音と出会う前から働いていたので、既にどこかの飲食店などでご飯を作っていたはずだし。もちろん、帰国したご両親にも。 それでも、1週間、1ヶ月、1年と、隣で自分の作った料理を美味しそうに食べる燐音を見て、対価を払って食べにくるお客さんでもない、プロの父でもない、舌の肥えた母でもない、燐音の純粋な感想に、ニキの心がある種の満足感で満たされていくことは、想像に難くないだろう。

ホットリミット「モノローグ①」より

 新しい食・食材探しの旅に対しても、決して意欲や行動力がないというわけではなかったのだと思う。現状に満足してしまうニキにとって、必要だったのはちょっとしたきっかけと心の余裕。それを燐音が作ってくれたのだとしたら。それは燐音の新しい世界に対する好奇心の副産物だったかもしれないし、ニキの「お腹いっぱい」になりたいという願いを叶えるために、意図的に起こしたきっかけだったかもしれない。

まとめ

 ニキは好き勝手振る舞う燐音に辟易しながらも、こんなことを言っている。

マトリックス「Game master/ 第十九話」より

 これには、良いように流された結果アイドルとして活躍している今のことだけではなく、料理人としての今も含まれているのではないだろうか。きっと、ニキが料理人として進んでいける最善の道だって、燐音は先回りして作ってきたのだと思う。ホットリミットの舞台のように。 そして、アイドルとしての道だけでなく、料理人としての道にも燐音の影響があったことに、きっとニキ自身は気付いていないのだろう。それもすごく良い。

 つまり何が言いたかったのかというと、燐ニキ尊いよね、というお話です(極論)。もう少し具体的に言うと、ニキが、どうして料理人になったんですか?とニキ自身も分かりきってると思っていたような問を改めて投げかけられた時、ご両親はもちろん、美味しいご飯と、それを美味しそうに食べる昔の(今も?)燐音の姿がふと浮かんでいたらいいな〜と。現在の料理人としてのオリジンにも燐音がいたことに、いつか気づく日が来たらいいな、と、そういうお話です。

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